敷地内にある護法殿は中国の伝統的な寺院建築にとらわれない様式で、丸い屋根が用いられています。丸い形は万徳円満を意味し、信徒が寛容な心と慈悲の心を持ち、万徳円満を成し遂げるようにとの願いが込められています。護法殿内には漢白玉で造られた仏教の護法神「伽藍」、すなわち道教が礼拝する「恩主公」関聖帝君が祀られています。ここに祀られている伽藍菩薩は台湾で唯一、蓮花に座って蓮花に足を乗せた姿をしており、垂れ下がった蓮の花びらは慈悲の心をもって衆生を救済することを表現しています。
鎮寺の宝とされる「仏心印聖石」は重さ152トンの花蓮帝王石(港口石灰岩)で、その巨大さから夜間に運搬が行われ、3日間かけて花蓮から運ばれて来ました。聖石の背面には大きな「佛」の字と「心経」全文が刻まれ、人々に「仏即是心、心即是仏、仏心相印、功徳円満」という考えを伝えています。もう一つの面には大きな「佛」の字と仏教典籍『金剛経』の有名な4つの偈「一切有為法、如夢幻泡影、如露亦如電、応作如是観」が刻まれています。
敷地内で最も信徒と観光客の目を惹く光景は、数億年かけて作り出された十数本の樹の化石と高くそびえ立つ鍾乳石の林です。鐘乳石の柱と石筍はどれも樹齢100年の老木よりも高く、まるで空の果てまでそびえ立っているような印象さえ受けます。その数は全国でも珍しいほどの多く、敷地内の五葉松、真柏、奇石と相まって禅の雰囲気にあふれる美しい庭園の景観を作り出しています。
文物館には信徒から寄贈された1000年の歴史を持つ唐宋時代の古い仏像や仏頭、近代の著名な彫刻家・侯金水(1948~)作の仏像など、非常に貴重な作品が数多く収蔵されています。古仏は一つ一つその特色に合わせて適切な場所に配置されており、数多くの古仏が集まった様子はまるで人々に向かって仏法を説いているかのようです。
敷地内には台湾最大で総重量が500トンを超える3つの霊璧石が収蔵されています。その中の176トンと156トンの2つの霊璧石が寺院の入り口に置かれ、もう一つの160トンの霊璧石は菩提園のそばに置かれています。霊璧石は中国安徽省霊璧県にある磬石山一帯が原産で、質、色、紋様の美しさから、中国四大名石の中でも最高のものであると称えられています。