七開間(大きな柱で空間が7つに隔てられていること)、両進(前後に2つの横方向の建物があること)、両護龍(左右に2つの縦方向の建物があること)、帯四垂亭(廟内の拝亭、拝殿)の四合院式の書院建築で、民家と孔子廟を組み合わせた設計が取り入れられています。北向きに建てられ、外側から順に山門、拝殿、正殿が並び、両側には廂房、正殿と廂房をつなぐ通路には過水廊があり、講堂の両側の切妻の真ん中には通用門が設置されています。これは一般的な閩南式建築にはあまり見られない様式です。
三川殿は中央に三開間の山門があり、地面から約50センチの高さの土台には緑釉のタイルが貼られています。屋根は燕尾脊式で5つに分かれており、山門から左右に行くにつれて低くなり、中央の3つはそれぞれ独立した屋根を形成しています(燕の尾にあたる部分が6つある)。正面には七開間が均一に配置され、左右両端の屋根には歇山頂式を採用しています。このように様々な様式の屋根が組み合わせられた建築物は台湾の建築史上類を見ません。また、真ん中の屋根の両端は中央部分よりも高く、小さな屋根で覆われた上に、換気孔が設けられており、台湾ではあまり見かけることのない華やかさです。外に向かって傾斜した両側の切妻によって正面の壮観さが際立ち、中央の門の前には繊細で生き生きとした彫刻が施された一対の青斗石製の石獅が設置されています。
正殿前の拝殿は8本の柱と歇山頂式の屋根を持つ四垂亭で、孔子廟大成殿前にある露台に似た高さ60センチの土台があり、外側には花崗岩の石柱が4本、内側には木製の柱が4本並び、それぞれ大木で繋がっており、周囲は欄干に囲まれています。美しい装飾や生き生きと表現された剪黏が施された屋根の棟は拝殿の主な特色です。拝殿前方の中庭には珍しい瓦質のタイルがモザイク模様に敷かれ、その周囲は四角形のレンガで整えられ、中央には長方形の拝石が配置されています。台湾の伝統建築の中でも大変珍しい様式で、多くの専門家や学者から、台湾における清朝時代の建築物の中でも最高傑作と称えられています。
講堂の両側と護龍の斎舎を繋ぐ過水廊の外壁には非常に精巧なレンガ彫りが施されています。壁堵や壁の基礎部分のほか、レンガとレンガの繋ぎ目にも様々な模様の装飾が施されており、壁堵、門や窓の枠、窓台、半円形の壁の基礎、花瓶型の門などのレンガに模様が彫刻されています。このレンガ彫りには複数の職人がそれぞれ別の箇所を担当して腕を競い合う「対場作」と呼ばれる手法が採用されており、それぞれ異なる特色が見られます。
三川殿に入ると、木造の柱廊の左右にある「斗仔砌」工法で積み上げられたレンガの壁にそれぞれ1つずつ海棠型の月亮門があります。花の形に沿って、曲線を描くように丁寧にレンガが積み重ねられ、大変美しい形状を作り上げています。