幸福広場の前に位置する山門は世界一家門とも呼ばれ、快楽門、幸福門、歓喜門の3つの門から構成されています。高さ22メートルで、その上部には手に抱えられた地球をモチーフとした青銅製のシンボルがあり、全高は28メートル、奥行きは9.6メートルにも達します。重厚な山門はすっきりしたシンプルなデザインが採用されており、伝統的な寺院に見られる装飾芸術を強調したものとは異なり、自然と環境保護の精神と意義が表現されています。その両脇では、文字盤の数字の代わりに、幸福、快楽、歓喜、瀟灑、開心、心寧、希望、如意、光明、信心、自在、満足といったポジティブな言葉が配置され、人々が一分一秒を幸せに楽しく過ごせることを願う「世界幸福時計」が時を刻んでいます。
「世界一家」の山門をくぐると、長さ200メートル、幅51メートルの歩道「幸福大道」が伸びています。その両脇には、青斗石と青銅で作られた満面の笑みを浮かべた弥勒仏像や荘厳な佇まいの観世音菩薩と媽祖像が訪問者を迎えます。その先には2万人が同時に活動できる「幸福大広場」が広がり、周囲には長寿、吉祥、揺るぎない決意を象徴する五葉松が数百本植えられています。
主殿と後方の霊光堂には、東洋式の人の字型の屋根やギリシャのコリント式の石柱など、東洋と西洋の要素が融合した建築様式が用いられています。多数のガラス瓦と銅製の装飾板が文化と芸術の美的混合を表現しており、伝統的な仏教、道教寺院の複雑な装飾が施された建築様式とは一線を画しています。また、自然と調和した単一のシンプルなラインが多用され、古今東西の建築の神髄が取り入れられている点も特筆すべきであり、伝統、現代、自然、環境保護の設計の精神と宗教的意義、そして弥勒大道の文化的特性が融合しています。
新竹県峨眉郷のランドマークとなっている大弥勒仏像は世界一家文化館の上にそびえ立っています。仏像本体は56.7メートル、台座は15.3メートル、全高は72メートル、純青銅製で、台湾のみならず世界一の高さを誇る青銅製弥勒仏像です。右手には地球、左手には数珠を持ち、胸の前には「慈」の金牌がぶら下がっており、全人類に向けて、地球を大切にすること、そしてあらゆる命の価値と尊厳の重要さを呼びかけています。その下にある世界一家文化館では、青銅製で愛らしい外観の小さな弥勒仏11体が大自然合唱団を組んで大自然を讃える歌を歌っています。ほかにも、颯爽と馬に乗る青銅製弥勒仏や楽器を演奏する弥勒仏が立ち並ぶ興味深い光景を鑑賞することができます。
大殿に祀られている、座った姿の弥勒仏は高さ15メートルあり、その後ろを囲むエジプトベージュの石造りの背壁は全世界に行き渡る弥勒仏の慈光を象徴しており、天井の高い室内と雄大なコリント式の石柱は不思議な壮観さを感じさせます。正殿の高さ約50メートルの透明の丸天井には長さ7メートルの青銅製の「」の文字が掲げられています。これは中国の商朝(紀元前約1558~紀元前1046)の古い文字で、明明上帝と万物の根源、すなわち世界の全人類の先天の母を意味しています。
弥勒仏を見て幸せな気持ちになってもらえるよう、弥勒百態館内にはイチイ、チーク、クスノキなどの木材を使った弥勒仏像が数十体陳列され、そこに警世の言葉が添えられています。弥勒仏の様々な姿を目の当たりにすると、幸せな気持ちになります。