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鶏籠中元祭(行事・信仰)

初めて台湾の「重要民俗」国家文化財に指定された祭り
鶏籠中元祭(行事・信仰)
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所在地: 基隆市中正区信一路181号
経 緯 度: 121.74417,25.13125
料金: 無料
利用できる日:
毎年旧暦7月14日
利用できる時間帯:
毎年旧暦7月14日17:00~
主催機関: 基隆市政府
関係機関のURL: リンク
E-mail: 
お問い合わせ: (02)2422-4170#307、367

景観の価値

1カ月間にわたって催される鶏籠中元祭は、台湾で最大規模の中元節の祭典で、初めて「重要民俗」国家文化財に指定された祭りでもあります。清朝時代から宗親会が交代で鶏籠中元祭の開催を取り仕切ってきた伝統は、宗族組織の社会参加の重要な象徴にもなっています。鶏籠中元祭には、先人の開拓の歴史と文化の内包が完全な形で保存されており、歳月とともに文化的な革新、芸術性、国際的な魅力が増し、誰もが楽しめる民俗の祭典となっています。

歴史と沿革

鶏籠中元祭の起源は清朝時代に遡ります。当時基隆に入植した福建省の漳州人と泉州安渓人の間では、商売、土地、耕作、信仰などをめぐる争いが絶えず、多くの死傷者が出ました。そのため、双方の大老が話し合いの場を設けて争いを鎮めることとなり、死者の遺骨が合葬され、「老大公廟」と呼ばれる廟が建てられました。また、話し合いにより、出身地の代わりに苗字による当番制や宗親の血縁概念を取り入れ、交代で中元普渡(供養)を執り行なうことにし、「陣頭」の競技の開催により紛争を収め、社会の調和が図られました。清朝時代から日本統治時代まで、主会、主醮、主壇、主普の「四大柱」が共同で基隆中元祭を取り仕切り、地元の宗親が交代で主普を務めており、1929年には主普壇が建てられました。当初基隆港埠頭の労働組合が祭りの主催を引き受けていましたが、その後に慶安宮が主催することになりました。そして2007年に基隆市の民俗行事として指定される、その後、交通部観光局により「台湾の十二大祭り」の一つに選ばれました。

特色あるナビゲーショ

鶏籠中元祭(行事・信仰)平面図で標示鶏籠中元祭(行事・信仰)各ガイド項目、ガイド項目6ページ、詳しいコンテンツは下をご覧ください。
1鶏籠中元祭の流れ

鶏籠中元祭は毎年旧暦6月29日の開灯夜、起灯脚から始まり、旧暦8月1日の關龕門、手炉の引き継ぎまで続きます。祭りは32日間にわたり、合計で15の儀式があります。
一、旧暦6月29日23:00開灯夜:夜明け前に起灯脚を灯して、無縁仏をこの世にお供養に迎えます。(場所:開基老大公廟)
二、旧暦7月1日14:00開龕門:中元祭の主普を当番する該当苗字の宗親が龕門を開く儀式を執り行い、霊があの世からこの世にやってくる事を告げる事となり、ここから伝統行事の「鬼月」が始まります。(場所:基隆開基老大公廟)
三、旧暦7月4日10:00フランス人公墓の祭祀(場所:清仏戦争記念園区)
四、旧暦7月9日送灯献敬:供養灯を送る。
五、旧暦7月11日9:00立灯篙:主催者が主普壇の前に竹一本丸ごとを日当たりに向かうように真っ直ぐに立て(物事を最初から最後までやり通すこと、節ごとに伸びる竹と同じくどんどん昇進する事を象徴する)、この世に迎えられた無縁仏を供養に来てもらう。
六、旧暦7月12日19:00主普壇点灯:「老大公」(漳州人と泉州人の対立・衝突や疫病によって基隆で命を落とした無縁仏)を現世に迎え供養します。
七、旧暦7月13日14:00迎斗灯:各苗字の斗灯が基隆市内を巡行した後、慶安宮に戻って奉納されます。
八、旧暦7月14日9:00発表。(場所:主普壇)
九、旧暦7月14日19:00灯籠パレード。(場所:基隆市内)
十、旧暦7月14日23:00灯籠流し。(場所:望海巷海岸)
十一、旧暦7月15日11:00地官大帝の生誕祝い。(場所:主普壇)
十二、旧暦7月15日19:00中元普渡(供養)。(場所:主普壇)
十三、旧暦7月15日23:00送孤、跳鍾馗。(場所:主普壇)
十四、旧暦8月1日17:00關龕門:当番の主普が日付と龕門閉じ儀式担当者の氏名を記入して、まず鉄の門を閉じて、次に外側の木の門を閉じます。鶏籠中元祭が無事に終了する事を告げます。(場所:開基老大公廟)
十五、旧暦8月1日18:30手炉の引き継ぎ。(場所:慶安宮)

2主普壇

基隆市中正公園の獅頭山頂にある「主普壇」は、1976年に建てられたもので、鶏籠中元祭で最も重要な中元普渡(供養)の主な祭場です。1階建ての基礎と3階建ての主体からなる4階建ての建物で、塔は八角形をしています。その両側には六角形をした二重の翼楼があり、翼楼は六角形をした一重の基礎の上に建てられています。外観は中国の古楼様式で、前に突き出た軒が美しいラインを描き、塔の最上部からは基隆港の景色を一望できます。中元祭の約1カ月前になると、その年の中元普渡(供養)を担当する宗親会によって、主普壇の周囲に木材で主普壇と同じ高さの牌楼(装飾用の建物)が建てられ、正面には道士が祭壇に上がるための階段が設けられます。また、無縁仏が一時的に滞在するための場所も設けられます。牌楼の周辺には5色の丸型LEDランプが取り付けられ、ガラス繊維で作られた龍柱が置かれます。さらに、木材と「蘭盆勝会」、「慶讃中元」、「主普姓氏」、「龍鳳呈祥」などの縁起の良い模様で外観が飾られ、毎日夜になると明かりが灯されてインパクトのある姿に変わります。主普壇は1997年に改装され、鶏籠中元祭の伝承が150年を迎えた年には主普壇の1階に80坪の「中元祭祀文物館」が設置されました。館内は、文化財展示エリア、特別展示エリア、マルチメディア映像エリア、魔幻劇場、親子向けゲームエリア、資料閲覧エリアの6つの展示エリアに分かれており、鶏籠中元祭の歴史写真、文化財、祭祀の流れの紹介など、多くの資料が展示されています。

3迎斗灯

旧暦7月13日の迎斗灯は、鶏籠中元祭の重要な儀式の一つです。斗灯とは道教の道具で、寺院で行われる儀式の中で魔除けや幸福祈願に使用され、各宗親にとって神聖なものでもあります。普段、斗灯は基隆慶安宮に奉納されており、迎斗灯では市内を巡行します。斗灯に火が灯された後は、その火を絶やさないようにし宗族一族の繁栄を祈願します。各苗字の斗灯は民俗芸術の職人によって製作され、非常に美しく、高い民俗芸術的価値があります。

4灯籠パレード

灯籠パレード鶏籠中元祭の旧暦7月14日の灯籠パレードには100年以上の伝統があります。当日の夜7時、各宗親会と招待を受けた地元チームや学生によるパフォーマンスチームが田寮河のほとりに集まり、そこから出発して市内をパレードし、各苗字の灯籠が迎えられます。これは単なるパレードではなく、「大士爺」が市内を巡行して地域の安寧を守り、基隆の4大廟(慶安宮、城隍廟、奠済宮、田都元帥府)に幸福を祈願するという意味も込められています。宗族による壮大なパレードに加えて、様々なチームによるパフォーマンスが行われ、近年では、宗教や民間の物語をテーマにしたものや可愛いデザインの山車がパレードに加わり、華やかに飾られた芸術的な山車や世界各地から訪れた芸術性の高いパフォーマンスチームが注目を集めています。力強いリズムの音楽に伴い、驚きや賞賛の声が次々と湧き上がり、大勢の人々が深夜まで祝い続ける様子は、まるで文化を内包するカーニバルのようです。

5灯籠流し

灯籠流し灯籠流し灯籠パレードが終わると、各苗字の灯籠が「望海巷」に集まり、一時的に安置するための灯籠流しの儀式が行われます。読経が終わり、紙銭が燃やされ、爆竹が鳴らされると、最後には各苗字の灯籠に導かれ、灯籠が海に向かって流され、水中のさまよう霊を供養します。この儀式は中元祭のクライマックスでもあります。

6中元普渡(供養)

中元普渡(供養)鶏籠中元祭の中元普渡(供養)は、毎年旧暦7月15日の夜7時に基隆中正公園の主普壇で行われ、さまよう霊をこの世に迎え御馳走をします。この儀式において重要なお供え物の一つに看桌米雕と呼ばれるものがあります。これは、原色のパン生地をこねて、鳥や動物、果物や野菜、昆虫、道具などの形にしたもので、非常に見応えがあります。主な祭場である「主普壇」では、その年の中元普渡(供養)を担当する宗族が祖先の名誉のため、多くの資金を投じて装飾を施します。夜になり色とりどりの明かりが灯されると、超大型の灯台のようになり、一瞬にして基隆市内で最も明るく輝くランドマークとなります。数十キロ先まで届く光は、まるで祖先を祭祀に招くために道を照らしているかのようです。

ひとことアドバイス

鶏籠中元祭の灯籠流しは夜に行われます。海岸は風が強いため、長袖の服をご用意ください。中正公園の主普壇1階にある中元祭祀文物館の開館時間は、火曜日から日曜日の午前9時から午後5時までです。

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