景観の価値
豊年祭とはアミ族を代表する民俗文化財で、Makotaay(港口)集落アミ族豊年祭(ilisin、イリシン)は集落で最も重要な年間祭祀行事であり、海岸沿いにあるアミ族系集落を代表する祭儀の一つに数えられます。祭典の衣服、装身具、舞踏などには土地柄である海洋文化の影響が垣間見え、地域社会における作業分担制度や男女別々の制度などが見られるほか、生命の循環や文化の伝承といった意義が込められており、集落の強い団結力と共同で伝統文化を継承するという信念が表れています。
歴史と沿革
花蓮Makotaay(港口)集落アミ族ilisin祭典の起源には2つの言い伝えがあります。一つは、天災、人災、作物の不作が起こった際、集落の祭司を務めるcilangasanの氏族が首狩りの儀式「出草」を行い、その者の魂を集落の守護霊とし、作物の成長に適した気候と生活の安定を祈願したことに由来するというもので、アミ族の言葉でilisinとは祭祀を意味します。もう一つの説は、遊耕と呼ばれる伝統的な移動耕作を行っていた頃に由来すると言われ、集落では山を焼いて作った耕地で農作物の栽培を行い、若い男性が見張り番を担当していました。見張り番の若者は収穫の季節を迎えると集落に戻り、集落ではこれを盛大に出迎え、ilisinを行って豊作を祝い、先祖の霊を祀っていたとのことです。現在もilisinでは、若い男性が身につける羽冠の最上部に、日本統治時代に神社でよく用いられていた白い布がくくりつけられ、文化面と精神面において互いに影響し合いながら融合していった時代背景が表現されています。後に西洋の宗教も伝統儀式に多少の影響を及ぼしましたが、主な伝統習俗は現在まで変わることなく受け継がれています。ilisin は2011年に花蓮県の民俗行事に指定されています。
特色あるナビゲーショ

1港口集落Makotaay秀姑巒渓の河口の北岸にある港口部落(Makotaay)は台湾東海岸におけるアミ族の主な発祥地の一つで、現在でも年齢による厳しい階級制度や「海祭」、「ilisin祭」などの伝統的な祭儀、音楽、舞踏が守られています。祭典は全て年齢階級組織によって計画、実施され、階級ごとに分担して各自の任務を遂行し、完了させます。その中でも7月下旬に催されるilisin祭は最も特徴的で、アミ族の人たちは出来る限り帰郷して祭典に参加します。
2ilisin祭典の流れ
アミ族の有名なilisin祭典は毎年7月20日に始まり、この地で栽培されている水稲の豊作を祝って感謝の祭典を行い、この祭典を境に新年を迎えます。かつて焼畑農業を行って粟を栽培していたアミ族は、収穫が終わってから次に土地が回復して種まきを行うまでの間に、集落の頭目と長老がilisin祭典の開催日程を決めていました。しかし、後に漢民族から水稲の栽培を学んでからは水稲の収穫時に祭典が開催されるようになりました。毎年、港口集落の「港口天主堂」の後方にある空地が会場として使用され、祭典は次のような6日間の日程で行われます。
一、7月20日:魚を採る、豚を殺す、報告といった準備作業が毎年固定の時間に行われます。
二、7月21日:迎霊祭の進級儀式が行われます。
三、7月21日:宴霊祭が毎年固定の時間に行われます。
四、7月22日:宴霊祭が毎年固定の時間に行われます。
五、7月23日:宴霊祭、高齢者や賢者への敬意を示す儀式、手をつないで輪になって踊る舞踏、表彰、もてなしの宴会などが毎年固定の時間に行われます。
六、7月24日:送霊祭が毎年固定の時間に行われます。
七、7月25日:漁撈祭が毎年固定の時間に行われます。
3男女別々に進められる祭典港口集落で催されるilisinの祭典では、集落の男性が参加する儀式は計4日間、女性が参加する儀式は最後の1日で、男女別々の日程で各自の祭典を行います。舞踏の際、女性は反時計回り、男生は時計回りに向かって踊り、未婚の男女が知り合う場となる「Pakayat」と呼ばれる夜にのみ男女が一緒に踊り、互いの気持ちを打ち明けることができます。これはアミ族の中でも珍しい風習です。
5祭典会場に響く原音の歌港口集落に現在まで受け継がれている伝統の祭典ilisinの会場ではマイクは使用されず、1人または複数人がアカペラで合唱をリードし、原住民の伝統の祭典に響きわたる天籟のような美しい歌声が観衆に感動をもたらします。この歌声はアミ族の伝統文化祭典における大きな特色に挙げられます。
ひとことアドバイス
ilisin祭典は毎年7月20日に始まり、集落内で厳かな儀式が行われ、先祖の霊が祀られます。儀式は観光客向けには公開されていないため、観光客は祭典会場に入って儀式を妨げてはならず、祭典の観賞のみが可能となっています。祭典の無断での撮影や録画は禁止されています。
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