入口に位置する天眼門の「天眼」とは「虚空の眼、諸法の空性を見通す」、つまり、諸仏菩薩が慈悲の眼で衆生を見つめ、衆生を守護しているという意味が込められています。天眼門の目はチベット仏教芸術の色彩で表現されており、門柱の石刻は世界の主要な宗教の古い修行の紋章で、広大な宇宙の自然現象に対する人類の多様な探求と解釈を象徴しています。
鷹仔山(旧名荖蘭山)には鳥のくちばしのような珍しい形状の石が多くあります。開山聖殿前と祖師殿の岩間には鷲の頭のような形状で前方を見下ろすような巨大な石が突き出ており、これが古代インドの霊鷲山の鷲首石に似ていることから、道場は霊鷲山と命名されました。
地蔵王菩薩道場大願舍利塔は、サールナート(インド北方のヴァーラーナシーの約10キロ北にあり、釈迦牟尼が初めて仏法を説いた地で、古代インドにおける仏教の四大聖地の一つ)にある仏陀の舎利塔を模して建てられました。内部には『地蔵菩薩本願経』経文の石柱が環状に並んでおり、古代インド仏教の建築様式が取り入れられています。
舍利塔とは古代インドの仏弟子が仏陀の万徳荘厳を懐かしんで設置したものです。観音道場の周囲には53の仏塔があり、その延長線上には台湾最東端の三貂角があります。各舍利塔の内部には、祝福をもたらすとされる仏像、舎利、経典、袈裟などの仏法僧の三宝を象徴する神聖な物品が保存されています。
無生道場内の観音道場には、青銅で鋳造され、全身金色で顔が黒い、高さ12メートルの「多羅観音」聖像がそびえ立っています。梵音の「多羅」とは離垢を意味し、台座の三面には『円覚経』十二菩薩の聖像と偈語が配置され、観音心呪のマニ車があり、仏像を囲んで読経する場所として多くの信徒から親しまれています。
タイのボーウォンニウェート寺が金の仏像の鋳造を計画していることを知った霊鷲山が、金の仏像の鋳造をきっかけに両地を結びつけることを提案しました。タイ芸術局によって2体の金の仏像が鋳造され、1体はボーウォンニウェート寺に贈られ、もう1体は2008年に福隆霊鷲山無生道場の華蔵海に祀られました。