奈良と鎌倉の大仏を模して造られた釈迦牟尼仏で、高さ4メートルの蓮華座に座し、全高は約23メートル、台座の面積は約694平方メートルあり、林慶堯の指揮のもと、鉄筋コンクリートで製造されています。蓮華座の左右両側に入り口があり、入場無料で参観、礼拝が可能です。1階の仏堂の両脇にある階段を上っていくと、仏陀の物語を見ることができます。仏像の内部は6階まであり、1階の仏堂には釈迦牟尼仏祖が祀られ、2階からは仏像が並び、仏陀の修行の過程とそれにまつわる逸話が展示されています。大仏の前には珠を捧げる2体の獅子が左右に配置され、九龍が浮き彫りされた噴水のある九龍池からは彰化市の華やかな夜景を見渡すことができます。
大仏の前に設置された一対の洗石子製の石獅は1963年に民間企業から寄贈されたもので、2002年に彰化県政府によって歴史的建造物に登録されています。
八卦山の入り口前の参仏道の両脇にはそれぞれ16体、観世音菩薩が現世に姿を現す時の法相を題材にした青斗石製の石像が並んでいます。入り口には贔屓(古代中国で縁起がいいと考えられていた動物で、龍生九子の一つ。亀に似た姿で、重いものを背負いたがる)の土台の上に「彰化八卦山参仏道観世音菩薩三十二応身法相碑」の石碑が立っています。奇妙な悪魔から荘厳な仏まで様々な法相の石像が立ち並び、観世音菩薩が衆生を救う際、因縁によって様々な法相に変化するという『妙法蓮華経観世音菩薩普門品』の記述が表現されています。
1972年に彰化大仏の後ろに建てられた大仏寺は、4階建て、高さ25メートルの宮殿様式の建築で、両側には八卦塔と中国の回廊式の廂房が設けられています。1階、2階、3階にはそれぞれ至聖先師孔子、神関聖帝君、釈迦牟尼仏が祀られ、「儒教、仏教、道教」の融合が図られています。
台湾で孔子を祀る寺院の多くは神像ではなく位牌を祀っていますが、大仏寺1階の大成殿には山東省曲阜市の孔子家廟から迎えた世界に3体のみの「至聖先師孔子聖像」が祀られ、代々受け継がれています。
大仏寺2階には河南省洛陽市の関林祖廟から迎えた台湾で唯一の「金面関聖帝君」と関羽の神器で重さ106キロの「青龍偃月大刀」が祀られています。参拝者は擲筊を通じて関聖帝君の同意を得れば、青龍偃月大刀を持ち上げられるか挑戦することができ、持ち上げることができれば、願いが叶うと言われています。