雄大な眺めの正殿には3階分の高さの「四点金柱」があり、それぞれに記された文の一文字目をつなげると「瑤池金母」の4文字になります。四点金柱に記された美しい文字は瑤池金母の慈悲を讃えるものであり、焼香と併せて参拝の際の見どころでもあります。四点金柱とは主要建築物を支える柱で、柱の大きさに制限はなく、建築物の主体によって異なります。そして、伝統建築において重要な地位を占めることから、重要かつ高貴な意味を持つ「金」の字を冠しています。廟内は天井を高く設計して瑤池金母の神々しい高貴さを表現しているほか、「瑤池金母はこの上なく豪華絢爛な場所に住んでいた」という経典の記述を元に作られており、参拝者の心の平穏と瑤池金母への尊敬の意が込められているのです。
言い伝えによると、西王母は毎年旧暦6月3日に蟠桃会を主催して神仙を招き、各地から神仙が集まったとされています。慈恵堂では毎年この日と旧暦10月18日の地母の生誕日に「契子女の帰依」を執り行い、信徒の子供たちに目に見えない母娘の加護を感じてもらい、何事もなく順調に成長することを祈願します。
藻井とは古代中国の宮殿や廟の殿堂によく使用される装飾で、その形状には様々な種類があります。松山慈恵堂の大殿上方にある藻井は円形で、非常に華やかで美しい外観となっています。
「台北母娘文化季」は台湾北部における年に一度の重要な母娘信仰の民俗行事となっており、移星礼斗法会、慈悲の模範者と孝行の模範者の選抜、青少年による親孝行感謝の儀式、大勢が参加する山掃除、国と民衆の平安を祈願する大型法会などが催されます。フィナーレの「保民巡行パレード」の隊列には伝統的な民俗芸能や神仙などの様々なテーマの山車が参加し、台北市でも最大規模の民俗芸能と山車のパレードとなっています。
収驚とは、主に驚いた時に体から抜けた魂を落ち着かせ、運勢の向上を神様に祈願することを目的とした華人の伝統的な宗教儀式です。儀式は1回につき1、2分間ほどで、信徒や観光客は無料で収驚を受けることができます。